高塚省吾

「ジョーゼット」

1930-2007 洋画家、岡山県生まれ、東京芸術大学油画科卒業、1969年欧州スケッチ集出版、1981年ソビエト文化省招待によりソビエト連邦旅行、無所属、日動画廊、日本橋三越本店等にて個展、師:梅原龍三郎/林武、裸婦像を専門に描く画家として絶大な人気を博した。

パステル画は「写実」、油彩画は「創作」と生前に語り、パステル画を描くときはモデルを用いますが、油彩画はモデルを使ってはおらず自分の中にある理想の女性を描き、当然モデルを使うパステル画と比較して、氏の油彩画は極端に数が少なく、絶大な人気と価値を備えています。

本作は「ジョーゼット」油彩 20号 三越百貨店取扱、オリジナル額装、共シール付の裸婦像。 画伯の作品の中でも希少価値の高い油彩画にして、市場への流通は絶対的に少なく、滅多に手に入らない希少な20号の大型作品です。オリジナルの豪華な額縁は、作品の価値と鑑賞性を際立たせます。そして本作品は、入手困難な画伯の作品集にも掲載されている代表作です。 素肌に白いブラウスを羽織る裸婦像。 目鼻立ちの整った顔立ちの女性は上品で、ほんのり赤く染めた頬が色香を放ち、清楚な美しさが感じられます。 穏やかな光は、絹のような肌を照らし、透明感溢れる白肌をより一層引き立てます。 ジョーゼットの薄く緩やかに編まれたブラウスが、春陽のように優しく女性の身体を包み、ブラウスから見える柔らかな乳房や細く浮き出た鎖骨、滑らかな身体の曲線が麗しい。 透明感のある裸婦を描き、美人画の第一人者として洋画家の中でもトップクラスの実力と人気を兼ね備えている画伯。 入手困難な画集掲載作品にして、画伯の作品の中でも抜群の出来を誇る、画伯渾身・美人像の名画です。

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山本大貴

「渚の記憶」

武蔵野美術大学で油彩の古典技法を学び、初期から一貫して写実表現を追求している、映画を撮ることにもなぞらえるように、脚本を構想し、人物のポーズ、衣装、調度品などの小道具、全体の配置、照明等を細部まで計算して演出し、油絵というフィルムで何百年も鑑賞できる作品を制作しているのだ、と作家は言う、写真と見紛うばかりに睫毛の一本、指先の動きひとつまで緻密に描き込んだ作品は、独特な質感を持つ、クラシックで優雅なドレスを纏い、重厚な調度の中に身を置く女性、近未来的で精巧なデバイスを装着して、鋭い視線を投げかける女性、作家の描く人物は、どこか近寄りがたい品格を漂わせ、謎めいたストーリーを感じさせる、作家が目指すのは、現代に生きる写実絵画、アニメーションやゲームなどのポップカルチャーに慣れ親しんだ1980年代生まれならではの感性で、従来の写実絵画の枠組みを拡張している。

現在：白日会会員
主な受賞：白日賞　冨田賞　昭和会展優秀賞
作品収蔵：ホキ美術館

写真と見紛うかのような精巧な女性の一瞬の表情を描いた油彩画がTwitterで話題を呼び、瞬く間に広まり大きな話題を呼びました。 山本大貴が描く作品はまるで本当の写真のように、その場の空間までをも切り取ったかのような透明感があります。 一度目にすればその大きな魅力に圧倒されます。 2007年の白日展での初出品以来、次代の写実絵画の旗手として各方面より多大な注目を集め、個展では即完売するほどの爆発的人気を集める超人気画家。

本作は「渚の記憶」油彩15号、2010年に描かれた美人像。個展発表作品です。 【山本大貴】画伯の作品は人気の為市場への流通は絶対的に少なく、滅多に手に入らない希少な15号の大型作品です。 オリジナルの豪華な額縁は、作品の価値と鑑賞性を際立たせます。 そして本作品は、画家本人のInstagramのプロフィール画像に使われている作品で、山本大貴油彩画集にも掲載（左１ページ全体に掲載）されている非常に入手困難な代表作品です。

明るく差し込む窓からの光を見つめる少女。 ぱっちりとした大きな目の水色の瞳はキラキラと輝きを見せ、透明感のある瑞々しい頬や唇、艶やかな髪の毛、そして少女の優しく微笑む表情からは清楚な美しさが感じられます。 穏やかな光は絹のような肌を照らし、肌理の細かな透明感溢れる白肌をより一層引き立てます。 徹底した写実表現は実に見事で、おだやかに光り輝く少女は神々しく、女神を見ているかのよう。 背景には静かに波打つ海辺が描かれ、表題にある「渚」での記憶に思い耽っている少女の様子が想像できます。 入手困難な画集掲載作品にして、画伯の作品の中でも抜群の出来を誇るリアリズムの最高傑作・画伯渾身の名画です。

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相原求一朗

「はこだて 雪」

1918-1999 北海道の自然を描き続けた画家、戦時中は、兵役により多感な青春期に重なる4年半を満州の広大で荒涼とした大地の中で過ごす、戦後、モダニズムの画家・猪熊弦一郎に師事したことで画家への道が開かれると、新制作協会を拠点に画業を成熟させてゆく、そして、原風景というべき満州の情景を彷彿とさせる北海道の原野に出会ったことで、相原の才能は覚醒、心を揺さぶられる厳しい北海道の大自然を、モノクロームの色調で詩情豊かに描いた。

画伯が最晩年まで描き続けた北海道風景は、「風景画」という枠を超えた一種の心象風景であり、自然を対象としながらも人間の心情とつながる詩情をも感じさせます。今も尚根強い人気を博す北海道風景画家。

本作は北海道風景「はこだて 雪」油彩 30号 大作 画集掲載の代表作品にして、1971年作の日動画廊取扱の作品です。 雪が積もる北海道 函館の町。 絵具を幾重にも塗り重ね、重厚感のある肌合いの油彩表現。 作者の力強い筆致により、木立の枝ぶりが荒々しく躍動的に描かれています。 暗紺色で彩られた空や深い暗色の木立と、眩しく白光する北海道の山々や家並に降り積もった雪の白さとのコントラストが美しく、澄んだ静謐な空気がその場を漂います。 雪道を歩く人も散見され、街で生活をするささやかな人々の情景が浮かんできます。 作者独特の静謐さをたたえた世界感が展開された、貴重な30号大型サイズ、画伯全盛期の北海道風景の名画です。

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三代徳田八十吉

「碧明耀彩 壷」

1933-2009 石川県小松市の九谷焼窯元に生まれる、初代八十吉から古九谷釉薬を、父・二代八十吉からは、富本憲吉直伝の現代陶芸を学ぶ、三代八十吉は、伝統的な九谷焼の色絵技法に飽き足らず研究を重ね、徳田家に伝わる古九谷五彩のうち、ガラス成分のない赤を除いた紺、紫、緑、黄の4色の釉薬から200以上もの中間色を創り出し、独自のグラデーション表現による彩釉磁器「燿彩」の焼成に成功、三代八十吉が編み出した色鮮やかな作品は現代陶芸界からも高く評価され、1997年には重要無形文化財「彩釉磁器」保持者(人間国宝)に認定されている。

本作は 高さ26cmで金銘の「碧明耀彩 壷」。
祖父の初代徳田八十吉が残した古九谷風の色彩や表現技術を受継ぎ、そこから生まれた「耀彩」。本作もその中の一つで、美しい円を描いた端正な器形は大変人気な作品となっています。金銘（本人作）で、ここまで大きい丸型の大型作品は、非常に入手困難で最上位作。希少ながらも極めて出来栄えの良い名品です。

壷の口の内側までしっかりと釉薬が施され、側面は鏡の様に周りの景色が映りこむ程の綺麗さ。美しい丸型で釉薬の流れも一層際立ち、その色彩はさながらオーロラ。緻密に調整された釉薬の重なりから生まれる美しいグラデーションは、作者の研鑽の全てが注ぎ込まれた、まさに魂の結晶。幻想的な青彩が見る者を惹きつける、作家真骨頂の名品と言えましょう。

• カテゴリー: 九谷 > 花器、壷

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籔内佐斗司

「かぶあげ童子」

1953年大阪生まれ、東京藝術大学および大学院で彫刻を修め、1982-87年 同学保存修復技術研究室にて仏像彫刻の研究と修復事業に従事、その後、古典研究をもとにした独自の彫刻技法を駆使し、木彫やブロンズ、版画、執筆、映像、講演などさまざまな活動を、屋内屋外を問わず元気いっぱいに繰り広げている、その表現は、日本人がどこかに置き忘れてきた豊かな精神世界を、諧謔と陽気さに満ちた懐かしい造形で蘇らせようとするものである、1988年 第11回神戸須磨離宮公園現代彫刻展で兵庫県立近代美術館賞、2003年 第21回平櫛田中賞受賞、現在：東京芸術大学大学院教授

本作は、 2009年に制作された大型のブロンズ作品・高さ27cmの「かぶあげ童子」。

作家公式のHPにも掲載されている作品です。 2009年に日本橋三越で「籔内佐斗司展　こころのかたち」が開催された際に、記念として発表・制作された作品です。 蕪はその語感が頭(かぶ)に通じることから、頭(かしら)を目指すようにと武家の間で「縁起のよい食べ物」として広まったといわれます。また、葉が勢いよく繁り、力強く根付くところから「子孫繁栄」、丸々とふくよかな形から「家庭円満」などにあやかりを願って飾られます。さらには、どのような土地でも育ちやすい野菜であることから、たくましさの象徴としても扱われます。 そのような縁起の良い野菜である蕪を力強く持ち上げる童子の姿と表情は、見る者を惹き付け、心を鼓舞し勇気づけてくれます。 籔内佐斗司の真骨頂・愛らしさとたくましさが際立つ童子像の名品です。

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藤田喬平

「手吹 飾筥 龍田」

1921-2004 ガラス工芸家で文化勲章受章者、日本芸術院会員、文化功労者、東京都生まれ、東京美術学校を卒業、「虹彩」に代表される、流動するガラスが冷えて固まる一瞬を作品に留めた「流動ガラス」シリーズ、琳派の作品に触発され、伝統的な美意識を作品に表出させた「飾筥」シリーズによって、藤田はガラス作家としての個性を明確に打ち出していった、96年宮城県宮城郡松島町に「藤田喬平美術館」が開館、国内外の展覧会へ作品を出品し、日本を代表するガラス作家として活躍するとともに、再三に亘り日本ガラス工芸協会会長を務めるなど、多方面から日本におけるガラス・アートの活動を牽引した。
東京美術学校(現東京芸術大)で彫金を学び、1946年の第１回日展にも入選しましたが、ガラス工芸に転向。その後、ガラス工芸家として2002年には文化勲章を受章。日本の伝統美を現代的視点でとらえた作品は、国際的にも評価が高く、“現代の琳派”と評されています。色ガラスに金箔を混ぜた、代表作である「飾筥（かざりばこ）」で独自の分野を確立し、国内外問わず高い評価を受けた日本を代表するガラス作家です。

本作は高さ10㎝の「手吹 飾筥 龍田」。 世界的に大絶賛された、孤高のガラス芸術「飾筥」。 本作もその中の一つで緋色の花吹雪文様のガラスを素地とし、鮮やかな薄紫、白、桃で表現された花びらが無数に華麗に舞い、たっぷりとした金箔と銀箔で豪華絢爛なる装飾の美しさに目を釘付けにされます。 とりわけメインカラーで底光りする燃えるようなレッドの色彩が実に美しい。 俵屋宗達や尾形光琳が創造した琳派の美の世界に陶酔し、ガラス芸術の世界に「琳派」を導いた作者の世界観が存分に味わえる名品と言えましょう。

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後藤純男

「春麗大和」

1930-2016 日本画家、東京芸術大学名誉教授、日本美術院理事、千葉県東葛飾郡木間ヶ瀬村の真言宗の仏門に生まれ、僧侶となる修業を受けながら、22歳のときに仏道を捨てて絵の道を選んだ画家、院展では日本美術院賞（大観賞）、内閣総理大臣賞等を受賞したほか、日本芸術院賞・恩賜賞を受賞するなど数々の栄誉ある賞を受賞し、逝去後も、宗教的荘厳さが漂う作品で日本画壇に比類ない存在感を放っている、郷里の慣れ親しんだ田園風景に始まり、各地を取材しながら風景を描いた、厳しい自然の姿を見せる北海道の滝の連作、深い情趣を湛える季節の移ろいをとらえた法隆寺などの大和古寺のシリーズ、そして中国の雄大な山河や穏やかな農村風景など、様々なテーマに挑んだ。

後藤純男といえば【季節】と【神社仏閣】でしょう。 四季折々の景色を描いた作品を残しており、桜を描いた春の景色と、雪を描いた冬の景色は特に人気があります。

本作は「春麗大和」日本画 10号 金落款 金泥仕様 共シール付の古都風景。 画面左右に咲く満開の桜、中央に聳え立つ五重の塔とまさに日本の風情を祝うような逸品。 細かく、綿々と描き込まれた画面からは、春の温かさが伝わってきます。 画面に描かれた大自然は、穏やかな風情と情緒を生み出し、五重塔の存在感をより一層引き立てます。 美しい色彩で古都の春の自然美を描いた画伯の名作です。

• カテゴリー: 日本画 > 山水、風月

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天野喜孝

「街（エポキシ）」

1952年 静岡市に生まれる、1967年 竜の子ブロダクションに入社、同社でアニメーションキャラクターの設定を担当、「ヤッターマン」「ガッチャマン」他多数を手掛ける、1981年 誌で「トワイライトワールズ」の連載を開始、イラスト界に鮮烈なデビューを飾る、以後、数多くのブックカバーデザイン、絵本、アニメーションの制作等幅広い分野で精力的な活動を続ける、1982年 天プロダクション設立、1983年より4年連続で星雲賞受賞、1984年 第一画集「魔天」を刊行、以降、画集、舞台美術制作、美術館のステンドグラス制作、個展、さらに驚異的な販売本数を記録したテレビゲーム「ファイナルファンタジー」シリーズのキャラクターデザインを手掛けるなど、独特の幻想的な作風で大人気を集める、現在は日本のイラスト界の第一人者として、多彩な分野でその実力を遺感なく発揮、若い世代を中心に圧倒的な支持を集める“天野ワールド”、不思議な幻想美の世界を展開している。

• カテゴリー: 版画 > 石版画、リトグラフ

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志村立美

「隅田川」

1907-1980 挿絵画家として活躍、群馬県生まれ、美人画家山川秀峰に師事、大正時代末期から講談社などの雑誌のさし絵で活躍、ながいまつ毛、うるんだ瞳の麗人像などに特色を示し戦前の一時期流行児として人気があった、鏑木清方門の伊東深水、山川秀峰などの塾展である青衿会や、戦後の美人画団体日月社展等に美人画を出品していた、出版美術家連盟会長、元日本作家クラブ副理事長

美人画家山川秀峰に師事し日本画を学び、当時挿絵の美人画では「岩田専太郎」と肩を並べ活躍しました。 晩年は日本画を描き、独自の女性像の美の追求し続け美人画家として絶大な人気を博した美人画の巨匠です。

本作は「隅田川」日本画 10号 金泥仕様 共シール付きの作品。 同モチーフが画集「かんざし」にも掲載されている、日本画の和美人像です。 隅田川は画材が豊富で江戸を表現するのに格好の場所であり、作品の背景として用いられることがあります。

画伯独特の切れ長の目、透き通るような白い肌、上品ながら色香を放つ紅の色。 華やかさの中に品格と艶やかさを併せ持ち、さらりと掛ける青い頭巾が品よく、粋の美学を演出します。 本作のように背景に家々が描き込まれた作品は、珍しくとても貴重であり、その場に女性が実際に佇んでいるように町並みと和美人とが見事に調和よく描かれています。 いつまでも飽くことない魅力と芸術性を感じられる逸品にして、昭和美人画の名品です。

• カテゴリー: 日本画 > 人物、菩薩

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